A:魔装ドレイク ザニゴ
「ザニゴ」は、アマルジャ族の錬金術師が、ウルダハ攻略の切り札として、品種改良を加えたドレイクだ。
四肢につけた刺具によって、闘争本能を刺激しつつ、身体に魔紋を刻むことで魔力を付与している。
ただのドレイクと思うと、痛い目を見るだろう。
~手配書より
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ショートショートエオルゼア冒険譚
その巨大なトカゲは後ろ足で立ち上がるように上体を起こすと信じられない事に砂地の大地を蹴り飛び上がると大きな顎で大地ごと噛み砕こうと襲いかかる。
サイドで髪を編み込んだミッドランダーの女剣士は横っ飛びしてすんでのところでそれを躱した。
砂の上でゴロゴロと転がるとその勢いを利用して立ち上がり盾越しに自分の体の5倍はあろうかというトカゲを睨みつけた。
ザニゴと呼ばれるこのAランクリスキーモブ指定されたドレイクはパルガザンの草原から聖地奪還の為に侵攻してきたアマルジャ族が育て上げた生物兵器だ。錬金の得意なアマルジャ族の魔術師が特殊な餌で育て特製の魔具で調教し兵器として使役出来るよう躾られている。折り悪く、兵器として仕上がった頃にはウルダハとの戦いも膠着状態に陥っており、一度の実戦投入も無しにその燃費の悪さ故砂漠に不法投棄された厄介者だ。
しかも、餌に飢えたザニゴは獲物に見境が無くなっていて、今回ザニゴ討伐をウルダハ不滅隊本部に依頼してきたのは当のアマルジャ族だというオチまでついている。
睨みつけられたザニゴは低い唸り声を発すると闘争本能むき出しに体を強ばらせる。前足に付けられた魔具からは脳に直接刺激が送られるようになっていてそれにより引き起こされる極限の闘争本能は人ならまさにバーサーカーだ。
ザニゴの近距離攻撃の間合いギリギリに位置をとり、次の攻撃を予測しカウンターを叩き込むつもりでザニゴの筋肉の動きを窺う。鱗に刻まれた紋様が不気味に発光するのが見える。
「嘘!」
この手の挙動から発せられる攻撃といえば大抵……
「放電!?」
ザニゴの予想外の挙動に咄嗟に後ろに大きく飛びさがった。
何かが張り裂ける様な破裂音が響き、先程まで立っていた場所を含む周辺に稲妻が着弾し、焦げ臭い匂いとともに砂が煙を上げた。